全国初の水上メガソーラー、埼玉で運用開始

『広大な土地にソーラーパネルを敷き詰め、太陽光発電を行う「メガソーラー」。再生可能エネルギーの柱として全国で建設が進んでいますが、埼玉県に これまでとは違う水の上のメガソーラーが誕生しました。いったい、なぜ水の上なのでしょうか?全国初の取り組みを取材しました。

一面にずらりと並んだソーラーパネル。埼玉県桶川市に完成し、19日から運用が始まったメガソーラーです。東京ドームのグラウンド部分に相当する1万 2000平方メートルの広さにおよそ4000枚のパネルが並べられ、1年間で120万キロワット(およそ400世帯分)を発電することができますが、これ までのメガソーラーとは大きな違いがあります。

ここに並んでいる数千枚のソーラーパネル、実は全て水の上に浮かんでいるんです。全国初の水上メガソーラー。パネルは軽い素材でできた「フロート」の上に乗せられ、そのフロートがアンカーで池の底に固定されているため、台風などの自然災害にも耐えられるといいます。

「新たな可能性に参画できて意義深いと感じている」(桶川市 小野克典市長)

でも、なぜ“水の上”なのでしょうか?再生可能エネルギーの柱として期待を集めるメガソーラーは、去年7月、固定価格買取制度が導入されて以降、全国で建 設や申請が相次いでいます。しかし、広大な土地を必要とするため、用地不足などの問題が起きていました。そこで浮上したのが“水の上”。今回、メガソー ラーが造られたのは、桶川市が所有する工業団地の調整池です。

「調整池の土地を利用して何かできないかと検討していた」(桶川市 小野克典市長)

市が水面を年間200万円の使用料で東京都の会社に貸し出し、この会社が事業者として作った電気を東京電力に売却します。年間の売り上げは4000万円を 見込んでいます。水面は温度が上がりにくく、発電効率の良さも期待されていて、事業者は今後、他の場所にも広げていくと話します。

「遊水池やため池、ダムなどは無数にあると思っています。今後は20か所、30メガワットは早々に進めていけるのでは」(ウエストエネルギー ソリューション担当者)

しかし、課題もあります。一つは水位の変化への対応です。ワイヤーで池の底と固定してはいますが、水位が上下することで、パネルを乗せたフロートが動き出 して、岸に当たってしまう危険などがあるのです。このため、今回はパネルの設置を当初予定の半分程度に限定せざるを得ず、水面の広さを十分には活用しきれ ませんでした。

また、今後、生き物が多く住む池や湖に設置していくには、生態系への影響を考える必要もあります。

「事前にどんな生き物がいるかは必ずチェックすべき。国内で事例がないので、設置後にどんな生き物が減ったか増えたかは、確認して結果を公表していただきたい」(日本野鳥の会 葉山政治さん)

全国初の水上メガソーラー。再生可能エネルギーの選択肢を広げることができるでしょうか。』

出典:
TBSニュース:http://news.tbs.co.jp/20130719/newseye/tbs_newseye5387935.html