2018年4月23日、環境ビジネスオンラインに水上太陽光関連記事が掲載されました。

https://www.kankyo-business.jp/column/020219.php

『メガソーラー、残る適地はため池?水上太陽光発電の大きな可能性

日本には、ため池がおよそ20万カ所もあるという。今後メガソーラーの適地がますます少なくなる中、造成の必要がない、ため池や湖はメガソーラーの候補地になり得るか。その可能性について、いちごECOエナジーの吉田昌弘氏、䐧水尾太郎氏に話を聞いた。

岡山県笠岡市の農業用ため池を利用して、2MWを超える水上太陽光発電所が建設された。

事業主はいちごECOエナジーで、発電所の敷地面積は59,900m2、発電した電気は全量中国電力に売電されている。同社では以前から工場などの調整池を活用した水上太陽光発電など、社内で検討が行われてきたが、なかなかコストと品質の面で折り合いがつかなかったという。

それが最近パネルや架台の性能が向上し、コストも低下してきたこと、岡山県笠岡市の公募に通ったことなどのタイミングが重なり、水上太陽光発電への参入に踏み切ったという。

『水上』の方が予算・工期の計算が立てやすい

水上太陽光発電のメリットを聞くと「まず、陸上の太陽光では造成費が必要ですが、水上ではかかりません。また事業・プロジェクトを推進していく上で、部材と業者へのコストが決まれば最終的な費用が大きくぶれることが少ないように感じます。陸上の場合、排水関係など造成費が後になって増えるケースが多々あり、また埋蔵文化財などが発掘された場合など県や市の調査や立ち合いが入り、工期が大きくずれる場合もあります。さらに、ため池や湖に太陽光パネルを設置する場合、池の面積によってパネルを設置できるスペースが決まってきます。必然的に池の中央にパネルを設置することになるため、電柱や木など周囲から影の影響を受けることが少ないですね。つまり、陸上と比較していろいろな意味で水上の方が工事を行う上で計算がしやすいと感じました。特にメガソーラーの場合、適した土地が少なくなっている分、事業がやりやすいのではないかと思います」とプロジェクト管理を行ったいちごECOエナジーの䐧水尾太郎氏は水上太陽光発電の事業性について語る。

では技術面ではどうか。基本的な水上太陽光発電の施工方法は、池や湖の形状にもよるが、フロート(水にパネルを浮かせる架台)にパネルを取り付けたユニットを岸部で施工し、その塊を池に流しアンカーで固定する。笠岡市の案件では、作業のしやすさや安全性を考慮し、岸部にユニットを組み立てることのできるデッキのようなスペースを作った。

いちごECOエナジーの技術面の担当者である吉田昌弘氏は「水上での太陽光発電の施工において、一番大事になってくるのは『段取り』です。陸上ではある程度確立した作り方、手順に沿って施工していくことができ、仮にパネルや架台の部材の到着が遅れても、当たり前ですが地面でつながっているので、自由に作業をやれる部分から手を付ければいいと思います。しかし、水上の場合、道幅が狭かったりルートが一つしかなかったりと作業員が動けるスペースが制限され、かつ水の上ですので不安定で危険も伴います。そのため、弊社では極力陸上でできる作業は全て行ってから水上に流しています」と語る。

しかし、笠岡市の案件では、思わぬトラブルも発生したという。

急なトラブルにも柔軟に対応

水上太陽光発電の施工がスタートしてちょうど半分程工事が進んだ時、それまで契約していたパネルメーカーが突然供給をストップした。そのため、パネルの部材調達が遅れてしまい、施工現場にはフロートだけがあるというような状態だった。そのため、急きょ工法を変え、残りの半分はフロートを事前に組み水上に流して設置してから、後から調達したパネルをボートで運んで取り付けていった。

この場合、不安定なフロートの上を作業員がパネルを持って渡って施工するため、前の工法より時間がかかったという。一方で、同社は太陽光発電設備において、積極的に最新技術や施工法を取り入れるというチャレンジングな考え方があり、今回のパネル供給ストップに乗じて、表と裏にガラスを張ったトリナ・ソーラー製ダブルガラスモジュールを採用。

「特に電気は水を嫌いますので水に強い部材を探していました。試した感じでは水撥ねを良くガードしているように思います。他の企業が採用しているものだけを使ったら、それはただの投資になってしまいます。どうせなら太陽光発電業界の品質の向上、改良などに資する発電所を造っていきたいと考えているので、基本的にいつも新しいことにチャレンジしています。ダブルガラスのモジュールは水上では初の試みだったので導入しました」と吉田氏。(…)』